
こんにちは、プレミアムラグジュアリーカーズ運営者のTです。アメ車ファン、特に「ダッジ(Dodge)」という響きに魂を揺さぶられ、ガソリンの匂いとタイヤスモークを愛してやまない皆さん、心の準備はできていますか?「どうしてもダッジの新車が欲しい!」「あのV8ヘミエンジンの咆哮を自分のモノにしたい!」と検索窓に打ち込んだあなたの熱い心境、元ディーラー整備士であり、大排気量エンジンを愛する私には痛いほどよく分かります。腹の底に響くV8サウンド、スーパーチャージャーの甲高い金属音(ワイン音)、そしてアクセルを踏み込んだ瞬間に車体がねじれるような圧倒的なパワーと存在感。それが「新車」で手に入らなくなるなんて、車好きとしては到底信じたくない、受け入れがたい現実ですよね。
しかし、2026年現在、ダッジブランドは100年を超える自動車の歴史において、最も巨大でドラスティックな転換点の真っ只中にあります。残酷な結論から申し上げますと、皆さんが愛してやまない「純粋な大排気量V8エンジンを積んだチャレンジャーやチャージャー」の新車をディーラーでオーダーすることは、すでに完全に不可能な状況になっています。アメリカ本国の生産ラインは完全にストップし、ひとつの偉大な時代が幕を閉じました。
しかし、絶望してアメ車を降りる必要はありません。ダッジは牙を抜かれたわけではなく、狂気じみた遺伝子を別の形で未来へと受け継いでいます。今回は、惜しまれつつ姿を消したV8モデルの終焉の理由と高騰する中古車相場のリアル、そして世界中のモーターファンを驚愕させたダッジ初の「電動マッスルカー」、さらにはV8の代わりとなる「新開発の直列6気筒ツインターボエンジン」の正体まで、アメ車愛とプロの整備士の視点を全開にして、約8,000文字の特大ボリュームで徹底的に深掘り解説していきます!
- なぜダッジのV8チャレンジャー&チャージャーは新車販売を終了したのか?その歴史的背景
- 整備士が語る「HEMI(ヘミ)エンジン」の美しさと、中古車選びで絶対に避けるべき地雷車両
- 奇跡的にV8の「新車在庫(デッドストック)」を見つけるための、並行輸入の過酷な現実
- 賛否両論!?電動マッスル「チャージャー デイトナ」の衝撃スペックと「爆音EV」の謎
- EVだけじゃない!V8の魂を受け継ぐ新開発「ハリケーン・シックスパック」エンジンの全貌
- 2026年現在、日本でダッジを新車購入し、維持し続けるための「専用テスター」の壁
なぜダッジのV8チャレンジャー&チャージャーは新車販売を終了したのか
まずは、アメ車ファンにとって最も辛い現実とその背景から直視しなければなりません。長年、アメリカンマッスルの象徴として君臨し、映画『ワイルド・スピード』などでも主役級の存在感を放ってきたV8エンジン搭載の「チャレンジャー」と「チャージャー」。なぜダッジは、自らのアイデンティティとも言えるこの大黒柱の生産を終了しなければならなかったのでしょうか。
厳格化する環境規制とステランティスの苦渋の決断
その最大の理由は、全世界で急速に進む「脱炭素化(カーボンニュートラル)」への圧力と、北米で導入された極めて厳しい「CAFE(企業別平均燃費基準)」規制にあります。CAFE規制とは、自動車メーカーが販売する車全体の平均燃費を一定水準以上に保たなければ、巨額の罰金を科せられるというルールです。
ダッジを傘下に持つ巨大自動車グループ「ステランティス」は、プジョーやアルファロメオなど電動化を進めるブランドを持つ一方で、ダッジやジープの大排気量V8モデルがグループ全体の平均燃費を著しく引き下げてしまい、毎年数百億円規模の罰金を支払う(あるいは他社から排出権を購入する)という異常事態に陥っていました。どれだけファンに愛されていても、6.2リッターのスーパーチャージャー付きV8エンジン(燃費はリッター数キロ)を作り続けることは、企業として完全に限界を迎えていたのです。これが、ダッジがV8エンジンを捨てざるを得なかった冷酷なビジネスの現実です。
伝説の終幕「ラストコール」シリーズと1025馬力のデーモン170
しかし、ダッジはただ静かにフェードアウトするようなメーカーではありませんでした。2023年モデルをもって現行のLプラットフォームを採用したV8モデルの生産を終了すると発表したダッジは、その偉大な歴史の最後をド派手に飾るべく、「ラストコール(Last Call)」と呼ばれる7つの特別限定モデルをリリースしました。
往年の名車をオマージュした「ブラックゴースト」や「キングデイトナ」、そして極めつけは、E85エタノール燃料を使用して1025馬力という常軌を逸したパワーを叩き出し、ゼロヨン(1/4マイル)を8.91秒で駆け抜ける「チャレンジャー SRT デーモン170」です。ドラッグシュートを展開しながらゴールするこのモンスターたちは、発表と同時に瞬く間に完売しました。あの世界的な熱狂と争奪戦こそが、内燃機関ダッジの文字通りの「最後の宴」だったのです。2024年以降、カナダ・オンタリオ州のブランプトン工場のラインは止まり、あの大排気量V8マッスルカーが新たに生産されることは二度とありません。
整備士が語る「HEMI(ヘミ)エンジン」の美しさと構造的な限界
ここで少し、プロの整備士の目線からV8「HEMI(ヘミ)」エンジンについて語らせてください。ヘミエンジンとは、燃焼室が半球状(Hemispherical)になっていることに由来する、クライスラー系伝統のエンジンです。OHV(オーバーヘッドバルブ)という、現代のDOHCエンジンに比べると非常に古風で原始的な構造を持っています。
しかし、この原始的な構造こそがアメ車のロマンなのです。巨大な鋳鉄製のシリンダーブロックは驚くほど頑丈で、ドロドロとした不等間隔爆発のサウンドと、低回転から湧き上がる暴力的なトルクは、どんな最新の高効率エンジンにも真似できない「命の鼓動」を感じさせます。1気筒あたり2本のスパークプラグを使用するため、V8エンジンなのにV16エンジンと同じ16本ものプラグを交換しなければならないというメカニック泣かせな一面もありますが、構造自体がシンプルなため、チューニングの余地が無限大に残されている素晴らしい名機です。しかし、この古き良きOHV構造ゆえに、現代の厳しい排ガス規制や燃費基準をクリアするための高度な燃焼制御を行うことが物理的に限界に達してしまったのも事実です。
日本でV8ダッジの新車・中古車を手に入れるための「過酷な現実」
V8モデルの生産が終了した2026年現在、それでも「あの音と鼓動を自分のモノにしたい」と願う日本のファンは、どのようにして車を手に入れれば良いのでしょうか。そこには、数々の高いハードルが存在します。
奇跡の新車在庫(デッドストック)を探す並行輸入の壁
「新車が生産終了したなら、売れ残っている新車在庫を探せばいいじゃないか」と考えるかもしれません。確かに、広大な北米大陸のどこかのディーラーのショールームの奥深くに、コレクターがキャンセルした、あるいはプレミア価格を狙ってディーラーが意図的に隠し持っている、奇跡的に登録されていない「未登録の新車在庫(デッドストック)」が眠っている可能性は残されています。
しかし、それを日本から見つけ出すのは砂漠でダイヤモンドを探すようなものです。どうしても新車にこだわるのであれば、長年アメリカとの強力なパイプを持ち、現地のディーラーネットワークに精通している「信頼できる並行輸入業者(プロショップ)」に依頼し、北米全土をローラー作戦で探してもらうしかありません。当然、見つかったとしても現地ですでに数百万円のプレミア価格が上乗せされています。
注意:地獄の「改善作業」と「日本の法規適合」
アメリカから車を引っ張ってきたからといって、そのまま日本の公道を走れるわけではありません。日本でナンバーを取得するためには、厳しい「排ガス検査(ガス検)」や「加速騒音試験」をクリアする必要があります。さらに、アメリカ仕様の「赤く点滅するリアウィンカー」を日本の法規に合わせて「オレンジ色(アンバー)」に光るようにテールランプの基盤を分解して配線加工(改善作業)を行ったり、直前直左の死角をなくすためにフロントやサイドにカメラを増設したりと、専門のプロショップでなければ絶対に対応できない複雑な作業が必須となります。これらを含めた乗り出し価格は、チャレンジャーのSRTモデルであれば1,500万円〜2,000万円を軽く超えてくることを覚悟しなければなりません。
高騰する中古車相場と、絶対に買ってはいけない個体の見極め方
新車が絶望的となれば、現実的な選択肢は中古車市場になります。しかし、生産終了のアナウンス以降、日本国内はもちろん、本国アメリカでもV8モデルの中古車相場は異常な高騰を見せています。特にスーパーチャージャーを搭載した「SRTヘルキャット」や、NA(自然吸気)の最高峰である「392スキャットパック」といった大排気量グレード、さらにはワイドボディ仕様の最終年式モデルなどは、新車価格を上回るプライスタグが付けられていることも珍しくありません。
もしこれからV8ダッジの中古車を購入するのであれば、整備士の視点から強く警告しておきたいことがあります。それは「アメ車は前オーナーの扱い方とメンテナンス頻度で、寿命が天と地ほど変わる」ということです。アウディなど欧州車の中古車選びについて解説した記事でも触れていますが、輸入車は「どこで、誰が、どのように整備してきたか」という整備記録簿(メンテナンスノート)の存在が命です。
特にダッジの中古車で避けるべきなのは、「過度なローダウンや、コンピューターの書き換え(ECUチューン)が行われている個体」、そして「アメリカ本国での走行距離が改ざんされている怪しい並行輸入車」です。必ずCARFAX(カーファックス:北米の車両履歴確認サービス)などで本国での走行距離履歴が証明されている実走行車を選ぶことが絶対条件です。
整備士からの警告!アメ車V8特有の故障リスクと熱害対策
HEMIエンジンは頑丈ですが、ウィークポイントがないわけではありません。例えば、5.7リッターや6.4リッターのNAエンジンでは、ウォーターポンプからの冷却水漏れや、オイルクーラーハウジングからのオイル滲みが定番のトラブルです。また、ヘルキャットの6.2リッタースーパーチャージャーモデルでは、その凄まじい発熱量に対処するために「スーパーチャージャー専用の冷却回路(インタークーラーポンプ)」が独立して存在しますが、このポンプが故障するとエンジンが致命的なダメージを受けます。
大排気量ゆえにエンジンルーム内は灼熱地獄となり、ゴム製のホース類やプラスチックのジョイントパーツは、国産車よりも早く劣化してバキバキに割れてしまいます。オイル交換をケチってドロドロのオイルで走り続ければ、可変バルブタイミング機構(VVT)を制御するソレノイドバルブが詰まり、一発で数十万円の修理コースです。中古車を買う際は、こうした「熱害」によるダメージをしっかりと点検し、予防整備を提案してくれるアメ車専門の主治医を見つけることが、高額な修理地獄に陥らないための唯一の防衛策となります。
新時代の幕開け!ダッジ初の電動マッスル「チャージャー デイトナ」
V8エンジンの終焉は私たちアメ車ファンにとって涙が出るほど悲しい出来事ですが、ダッジはただ時代に流されて牙を抜かれたわけではありません。「マッスルカーは死なない。ただ、進化の形を変えるだけだ」と言わんばかりに、世界の度肝を抜く衝撃的な後継モデルを発表しました。それが、ダッジ初のフル電動マッスルカー、新型「チャージャー デイトナ(Charger Daytona)」です。
V8を凌駕するパワー!800Vシステム「バンシー」の衝撃スペック
多くの旧来のファンが「EVのマッスルカーなんて、ただの環境に優しい家電じゃないか。そんなものはアメ車とは呼べない」と懐疑的な目を向ける中、ダッジが提示したスペックは、そんな不安や偏見を粉々に吹き飛ばす凶暴なものでした。
新型チャージャーのラインナップの頂点に君臨する最上位グレードには、テスラなどが採用する400Vシステムを遥かに凌ぐ、800Vの超高電圧電動パワートレインシステム「Banshee(バンシー)」が搭載されます。このバンシーは、かつての最強ガソリンモデル「ヘルキャット」をあらゆる面で凌駕するパフォーマンスを発揮するように設計されています。テスラなどの最新EVについて解説した記事でもその加速力に触れていますが、モーター特有の「アクセルを踏み込んだ0.1秒後から100%の最大トルクが立ち上がる」という物理法則を無視したような暴力的な加速力は、0-60マイル加速やゼロヨンにおいて、これまでのV8モデルを完全に過去のものにします。ダッジが作るEVは単なる「エコな速さ」ではなく、ドライバーの首の骨を折らんばかりの「暴力的な速さ」を追求している点が根本的に異なります。
eRupt(イラプト)トランスミッションによる「変速ショック」の再現
EVの欠点としてよく挙げられるのが「変速がなく、スーッと加速するだけで味気ない」という点です。ダッジはここにもメスを入れました。新型チャージャーデイトナには、「eRupt(イラプト)」と呼ばれるマルチスピード・トランスミッションが搭載されています。
これは、EVでありながら、あえて電気機械式に「変速(シフトチェンジ)」のショックを擬似的に作り出し、ガソリンエンジンのマッスルカーでギアが切り替わる時にガツン!とくるあの衝撃をドライバーの背中に体感させるシステムです。「速く走るだけなら変速ショックなど不要」というEVの合理性をあえて捨て、無駄な演出に莫大な開発費を投じる。これこそが、ダッジがダッジたる所以です。
EVなのに126デシベルの爆音!?「フラツォニック・エキゾースト」の狂気
アメ車ファンがEV化で最も懸念し、絶望していたのが「音」の喪失です。地鳴りのようなアイドリング音や、加速時の獰猛な咆哮がない無音のマッスルカーなど、クリープのないコーヒーのようなもの。そこで彼らが意地とプライドをかけて開発したのが、「Fratzonic Chambered Exhaust(フラツォニック・チャンバード・エキゾースト)」という世界初の特許技術です。
整備士目線の解説:スピーカーの偽物音ではない!
これは、最近のスポーツカーによくある「車内のスピーカーから人工的なエンジン音を流す」というチャチなシステムではありません。車両のリアバンパーの内側に、パイプオルガンや管楽器のような構造を持つ巨大なチャンバー(共鳴室)とトランスデューサーを物理的に設置し、モーターの回転数やアクセル開度などのデータに合わせて空気の圧力を送り込み、実際に空気を振動させて車外に「本物の音」を轟かせるという、極めてアナログで狂気じみたシステムなのです。
その音量は、なんとV8のヘルキャットと全く同じ「最大126デシベル」という爆音に設定されています。「EVなのに物理的なマフラー(排気管)のようなものがあり、そこから爆音が鳴る」という、時代の逆を行く痛快な解決策。ステアリングのボタン一つで「アイドリング音」を唸らせることも可能です。この音が、長年V8サウンドに脳を焼かれてきたファンの心をどこまで掴めるかが、新型チャージャーの成功の最大の鍵を握っています。
V8の代わりとなる新エンジン!直列6気筒ツインターボ「ハリケーン」の存在
「EVが凄いのは分かった。でも、やっぱりガソリンを燃やして走る内燃機関(ICE)じゃなきゃ絶対に嫌だ!」という生粋のガソリン信者の皆さん、朗報です。ダッジは電動モデルだけでなく、ガソリンエンジン搭載モデルもしっかりと用意していました。それが、次世代の内燃機関「ハリケーン(Hurricane)エンジン」を搭載した「チャージャー シックスパック(SIXPACK)」です。
EVだけじゃない!ガソリンエンジン搭載の「シックスパック」とは
新型チャージャーのプラットフォーム(STLAラージ)は、EVとガソリンエンジンの両方を搭載できるように設計された魔法の骨格を持っています。V8エンジンは完全に廃止されましたが、その代わりとして白羽の矢が立ったのが、ステランティスが新開発した「3.0リッター直列6気筒ツインターボエンジン(ハリケーン)」です。
この直列6気筒エンジンを搭載したガソリンモデルは、かつてダッジのキャブレターシステムに名付けられた伝説の名称「シックスパック」という名前が与えられました。アルミブロックにツインターボを組み合わせたこの最新鋭のエンジンは、V8のヘミエンジンよりもはるかに軽量でコンパクトでありながら、とてつもないポテンシャルを秘めています。
V8HEMIを超える効率とパワーを秘めた次世代エンジンの実力
ハリケーンエンジンには、出力の異なる2つの仕様(S.O.:スタンダードアウトプットと、H.O.:ハイアウトプット)が用意されています。ハイアウトプット版は、なんと直列6気筒の3.0リッターでありながら、最高出力550馬力オーバーという、かつての6.4リッターV8(392ヘミ)を超えるパワーを叩き出します。しかも、ツインターボの恩恵により、低回転から分厚いトルクを発生させ、燃費性能や排ガス性能もV8とは比べ物にならないほどクリーンに仕上がっています。
整備士の目線から見ても、直列6気筒というレイアウトは非常に合理的です。エンジンの回転バランスが完全で振動が少なく、フロントの重量が軽くなるため、V8モデルで弱点とされていた「ノーズの重さによるコーナリングのアンダーステア」が劇的に改善され、スポーツカーとしてのハンドリング性能は過去最高レベルに引き上げられるはずです。「V8のドロドロ音」が失われるのは寂しいですが、最新の直6ツインターボが奏でる甲高いエキゾーストノートと、ターボの強烈な吸排気音は、新しい世代のアメ車ファンを熱狂させるに違いありません。
2026年現在、日本で新車購入できるダッジのラインナップ
新型チャージャー(デイトナEVおよびシックスパック)のデリバリーが本格化し、日本に並行輸入で入ってくるまでの過渡期にある2026年現在。もし私たちが日本でダッジの「新車」を手に入れたいと考えた場合、どのような選択肢が残されているのでしょうか。
3列シートの最強SUV「デュランゴ」のV8モデルは生き残ったか?
ダッジのラインナップにおいて、チャレンジャーやチャージャーと並んで熱狂的な人気を誇るのが、フルサイズSUVの「デュランゴ(Durango)」です。3列シートを備えた実用的なファミリーカーでありながら、中身はゴリゴリのマッスルカーという、アメリカならではのクレイジーなSUVです。
実は、デュランゴに関しては、ステランティスはV8モデルの生産終了をチャレンジャーよりも少しだけ段階的に(寿命を長く)設定していました。そのため、北米市場においてはまだ「最終モデルのV8デュランゴ(SRT 392やアルカミ)」の新車オーダーがギリギリ間に合う、あるいは新車在庫が見つかる可能性がわずかに残されています。「家族を乗せられる最後のV8アメ車SUV」を探しているお父さんたちにとって、デュランゴはまさに一縷の望みと言えます。また、デュランゴの次期モデルには、新型チャージャーと同じく「ハリケーン直6ツインターボ」が搭載されることが確実視されており、そちらへの乗り換えを待つという選択肢もあります。
新生ダッジの切り込み隊長、PHEVコンパクトSUV「ホーネット」
大排気量モデルが姿を消していく中、ダッジが新たな顧客層を獲得するために投入した全く新しいモデルが、コンパクトSUVの「ホーネット(Hornet)」です。アルファロメオの「トナーレ」とプラットフォームやメカニズムの多くを共有するこの車は、ダッジとしては非常にコンパクトで(全長約4.5m)、日本の狭い道路事情でも取り回しがしやすいという大きなメリットがあります。
ホーネットの目玉は、ダッジ初となるプラグインハイブリッド(PHEV)モデルの「ホーネット R/T」です。1.3リッター直4ターボエンジンにリアモーターを組み合わせたこのシステムは、ステアリングのパドルを引くことでモーターの出力を数十秒間だけブーストし、システム総出力288馬力を絞り出す「PowerShot(パワーストショット)」機能が備わっています。ただのエコカーで終わらせない「ダッジらしいヤンチャな味付け」がしっかりと施されています。マセラティなどの欧州製高級SUVについて解説した記事でも触れていますが、欧州の洗練されたシャシーとアメリカンな味付けが融合したホーネットは、現在並行輸入で最も現実的に新車購入できるダッジの最適解になるかもしれません。
日本におけるダッジのメンテナンスと並行輸入プロショップの重要性
最後に、日本でダッジの最新モデル(EV、ハリケーンエンジン、PHEVなど)を購入し、長期間維持していくための「リアルなハードルと解決策」について、整備士の視点から解説しておきます。ダッジは現在、日本国内に「正規ディーラー」を持っていません。そのため、すべて「並行輸入」に頼ることになります。
最新モパー(Mopar)のセキュリティゲートウェイと専用テスターの壁
現代のアメ車(クライスラー、ダッジ、ジープ系の総称であるモパー:Mopar)は、走るコンピューターです。2018年以降のモデルには「SGW(セキュリティゲートウェイ)」と呼ばれる強固なファイアウォールが車両のコンピューターに組み込まれており、メーカーとオンライン契約を結んだ正規の専用テスター(Wi-TECH 2.0など)を持たない一般的な整備工場では、故障コード(チェックランプ)を消去することはおろか、オイル交換後のリセット作業すらできなくなっています。
さらに、新型のEV(チャージャーデイトナ)となれば、400V〜800Vという超高電圧システムを扱うため、「低圧電気取扱業務」の資格や絶縁工具、そしてEV特有のバッテリーマネジメントシステムにアクセスできる環境が必須となります。「安く輸入代行します」というだけの無名のブローカーから車を買うと、納車後にちょっとしたエラーが出ただけで、どこも修理してくれず完全に詰んでしまいます。
| メンテナンス項目 | 街の一般的な整備工場 | アメ車専門のプロショップ(最新テスター完備) |
|---|---|---|
| エラーコードの診断と消去 | ×:SGWに弾かれアクセス不可 | ◎:オンラインで本国サーバーと通信し診断可能 |
| EV/PHEVの高電圧整備 | ×:設備・資格がなく危険なため門前払い | ◎:高電圧トレーニングを受けたメカニックが対応 |
| リコール対応・ソフトウェアアップデート | ×:対応不可 | ○:本国の情報を元に自社でアップデート対応可能 |
ウィンカー改善やガス検など、日本の車検適合に向けた高いハードル
また、並行輸入車を日本の公道で走らせるためには、アメリカの法規から日本の法規(保安基準)へと仕様を変更する「改善作業」が必須です。ドイツ車メーカーの正規輸入モデルとは異なり、ダッジの場合は例えば「赤く点滅するリアウィンカー(ブレーキランプ兼用)」を、日本独自の「オレンジ色(アンバー)での独立点滅」に変更しなければなりません。最新のLEDテールランプを殻割り(分解)して基盤に手を加えるという、極めて高度な技術が求められます。購入後のメンテナンスや車検までをすべて自社工場で完結できる、歴史と実績のあるアメ車専門のプロショップをパートナーに選ぶことが、日本でダッジに乗り続けるための最大の防衛策となります。
まとめ:V8への未練を断ち切り、電撃の未来へ飛び込む覚悟
今回は、「ダッジの新車はもう買えないのか?」というアメ車ファンの切実な疑問を出発点に、V8モデルの終焉の理由から、世界の度肝を抜く電動マッスルカー「チャージャー デイトナ」の衝撃的なスペック、そしてV8の魂を受け継ぐ新開発「ハリケーン・シックスパック」エンジンまで、プロの視点で約8,000文字のボリュームで徹底的に深掘りしてきました。いかがだったでしょうか。
長年私たちを魅了し続けてきた大排気量V8のチャレンジャーやチャージャーが新車で買えなくなるというのは、一つの大きな時代の終わりを意味します。ガソリンの匂いと地響きのような排気音は、確かに失われつつあります。もしどうしてもV8の鼓動を自分のモノにしたいのであれば、高騰する中古車市場から良質な個体を一刻も早く手に入れ、信頼できる主治医を見つけて生涯の宝物として完璧にメンテナンスし続けるしか道はありません。
しかし、ダッジが提示した未来は、決して悲観するようなものではありませんでした。126デシベルの爆音を轟かせ、V8を過去のものにする暴力的な加速力を秘めた電動マッスルカー、そしてV8を凌駕する550馬力の直列6気筒ツインターボは、ダッジがダッジであり続けるための、彼らなりの強烈なアンサー(回答)です。「EVなんてアメ車じゃない」と食わず嫌いをするのではなく、時代に合わせて形を変え、それでも「悪童」としてのアイデンティティを貫こうとするダッジの新たな挑戦を、私たち車好きはワクワクしながら見届けるべきではないでしょうか。
V8の歴史をガレージで守り続けるのも良し。100年に一度の変革期に、あえて「爆音のEVマッスルカー」や「最新の直6ツインターボ」というクレイジーな最新モデルに飛び乗るのも良し。どちらを選んでも、ダッジのステアリングを握るということは、あなたの人生を最高にエキサイティングにしてくれることに変わりはありません。これからの新生ダッジの動向から、絶対に目が離せませんね!車選びで迷った時は、いつでもプレミアムラグジュアリーカーズのブログをチェックしに来てください。あなたのアメ車ライフを全力で応援しています!

