
トヨタを代表するプレミアムスポーツセダン、クラウンアスリート。新車販売が終了し、現行モデルがクロスオーバーや全く新しいセダンスタイルへと変貌を遂げた現在でも、中古車市場で圧倒的な人気を誇るこの車を検討する際、誰もが一度は直面するのが「S」と「G」というグレードの違いですよね。
ネットで検索しても、年式によって選べるエンジンが違ったり、Sグレードでもオプションで本革が選べたりと、情報が複雑に絡み合っていて「結局、自分にはどっちが合っているの?」と混乱してしまう方も多いのではないでしょうか。決して安い買い物ではないからこそ、外装のディテールや内装の質感、快適装備の充実度、そして価格差に見合う価値が本当にあるのか、しっかりと比較して納得のいく選択をしたいですよね。この記事では、クラウンアスリートに深く魅了されている私の視点で、特に人気の高い210系や200系を中心に、SとGの決定的な違いを徹底的に分かりやすく解説します。最後までじっくり読み終える頃には、どちらのグレードがあなたのライフスタイルに最適なのか、明確な答えが見つかるはずです。
- 歴代クラウンアスリートにおけるSとGの立ち位置とコンセプトの違い
- 外装のディテールや内装のシート素材に見る、明確な質感と高級感の差
- 後席の快適装備の充実度と、パッケージオプションによる見えない壁
- 中古車相場や維持費を踏まえた、後悔しないグレード選びの具体的なポイント
クラウンアスリートのSとGの違いを解説
まずは、クラウンアスリートの「S」と「G」というグレードが、歴代モデルにおいてどのような立ち位置で開発されてきたのか、そして具体的なエクステリアやインテリアの装備にどのような違いがあるのかを深掘りして解説します。同じアスリートという冠が付いていても、この2つのグレードには、トヨタが意図した明確なキャラクターの差とヒエラルキーが隠されていますよ。ここを理解しておくと、中古車選びがぐっと楽しく、そして失敗のないものになるはずです。
歴代アスリートのSとGの基本グレード構成
クラウンアスリートの歴史を紐解くと、多くの世代で「アスリート(ベースグレード)」「アスリートS」「アスリートG」という3部構成が基本となっていました。この中で、「G」は常にシリーズの頂点に立つ最上級グレードとして君臨し、トヨタがその時代に考えうる限りの豪華装備や先進技術が標準で惜しみなく盛り込まれています。まさに「いつかはクラウン」というキャッチコピーを体現した、妥協なきフラッグシップモデルです。
一方の「S」は、最上級のGほど過剰な装備ではないものの、クラウンに求められる必要十分な豪華装備と、アスリート本来のスポーティな走りを極めて高い次元でバランスさせた最も売れ筋の中間グレードという立ち位置を担っています。新車購入時の予算を少し抑えつつも、十分にクラウンらしさを満喫できるため、多くのオーナーに選ばれてきました。
特に中古車市場で人気の中心となっている210系(特徴的な稲妻グリルを持つ世代)や200系では、このSとGの間に、単なる価格差以上の明確な「装備の壁」が存在していました。「Sで十分」と考えるか、「どうしてもGの装備が欲しい」と考えるかが、車選びの最大の分岐点になります。ただし、世代やマイナーチェンジの前後(前期型・後期型)、さらには搭載されるエンジンラインナップによっても細かな設定は複雑に変化するため、検討中の特定のモデルの正確な情報は、必ずカタログ等で再確認する必要があります。このように、SとGはそれぞれ異なるターゲット層に向けて綿密に作り分けられているのです。
外装とエクステリア装備に見る決定的な違い
街中ですれ違った際など、パッと見の印象は非常に似ているアスリートSとGですが、車を停めて外装やエクステリア装備をじっくりと見比べると、最上級グレードとしての風格と気品がGには漂っていることに気がつきます。この「さりげない違い」にこそ、所有欲をくすぐるエッセンスが詰まっているんですね。
ホイール塗装と足回りの質感
まず最初に注目したいのが、車の印象を大きく左右するアルミホイールです。デザイン自体はSとGで共通(例えば210系なら18インチのマルチスポークデザインなど)であることが多いですが、Gグレードでは、より光沢感と高級感の強いスパッタリング塗装や特別なダークメタリック塗装が特別に施されている世代があります。この塗装の質感の違いだけでも、太陽の光を浴びた時の輝きや、夜の街灯の下での足元の引き締まり方が全く違ってきます。スポーティさの中に、VIPカーのような大人の色気を絶妙なバランスで感じさせるのが、Gグレードの足回りですね。
灯火類や加飾パーツのさりげない差別化
さらに、フロントマスクの表情を決めるヘッドランプやリアコンビネーションランプの内部の緻密な加飾、アウトサイドドアハンドルのメッキ処理など、細かなパーツの随所でGグレードは差別化を図っています。例えば、ベースグレードやSグレードではドアハンドルがボディ同色であるのに対し、Gグレードでは高級感のあるメッキ加飾が施されていたり、フロントグリルのモール部分の質感が異なっていたりします。また、210系などでは、Gグレードのみに専用のスマートキー(お財布にスッと入るカードキー)が標準装備されるなど、車に乗り込む前から「特別な車を所有する喜び」を高める演出がなされています。SとGのエクステリアは、どちらもクラウンアスリートらしさを十分に満たしていますが、細部のディテールにまで完璧を求めるなら、やはりGグレードの仕立ての良さが光ります。
内装の質感とシート素材の違いがもたらす差
重厚なドアを開けて運転席に乗り込んだ瞬間に、SとGの決定的な違いを最も強くダイレクトに実感できるのが内装、特にシート素材やパネル類の違いです。車内で過ごす時間の快適さに直結する、非常に重要な比較ポイントですよ。
極上の本革シートか、スポーティな上級ファブリックか
最上級グレードであるGには、ほぼ例外なく極上の本革シートが標準装備されています。しっとりとした滑らかな手触りと、ドアを開けた時にふわりと漂う高級車特有のレザーの香りは、Gオーナーだけに許された特権ですね。また、本革シートには冬場にありがたいシートヒーターだけでなく、夏場に背中や太ももへ涼しい風を送ってくれるシートベンチレーション(送風機能)がセットになっていることが多く、一年を通して極上の座り心地を提供してくれます。本革のひび割れなどを防ぐ定期的なメンテナンスは必要ですが、その分愛着も湧いてきます。
一方のSグレードは、オプションで高価な本革を選ばない限り、スポーティな「上級ファブリック(織物)」シートとなります。ファブリックと聞くと、コンパクトカーのような安っぽいイメージを持つかもしれませんが、クラウンに採用されている上級ファブリックは全くの別格です。手触りが非常に柔らかく滑らかで、さらに体が滑りにくいためコーナリング時のホールド性も抜群です。夏場に直射日光を浴びても熱くなりにくく、蒸れにくいという実用的なメリットもあるため、「走りを純粋に楽しむなら、滑りやすい本革よりもファブリックの方が好き」という車好きの方も意外と多いんですよ。
加飾パネルと室内のくつろぎ空間
シートだけでなく、インストルメントパネルやセンターコンソール、ドアトリムなどに採用される木目調パネルの柄や質感、ステアリングの素材(本木目と本革のコンビネーションステアリングなど)でも、Gグレードは一段上の高級感を徹底的に追求しています。Sグレードも同価格帯の他のセダンと比較すれば十分に質感は高いのですが、Gグレードは、クラウン本来の「おもてなしの空間」をより色濃く反映した、ラグジュアリー志向の強い味付けになっているかなと思います。ダッシュボードのステッチ一つをとっても、丁寧な職人技が感じられます。
快適装備の充実度とパッケージオプションの壁
Gグレードが最上級たる所以を決定づけているのが、その圧倒的な快適装備の充実度、特に「後席に乗る人への配慮」にあります。これは、ドライバーズカーであるSグレードではオプションでも追加できない、あるいは特定の高額な「パッケージ」を選ばないと絶対に付かない装備が数多く存在しているんです。
VIPのための後席「おもてなし」装備
Gグレードには、後方からの直射日光を遮ってくれる電動リアサンシェードやリアドア手動サンシェード、後席の背もたれの角度をゆったりと調整できる後席パワーシート、冬場に同乗者が喜ぶ後席シートヒーター、そして後席専用のエアコン吹き出し口(リアオートエアコン)などが標準装備されていることが多いです。さらに、リアのセンターアームレストをパタンと倒すと、オーディオの音量やエアコンの温度を操作できるコントロールパネルが内蔵されており、まさにショーファードリブン(運転手付きの車)としてVIPを後席に乗せるためのフル装備が備わっています。ここは自分でステアリングを握ることを前提としたSグレードとは明確な線引きがされている部分です。
ドライバーを支援する便利な機能群
もちろん後席だけでなく、運転席周りの快適装備にも大きな差があります。雨の量に合わせてワイパーの速度を自動調整する雨滴感応式オートワイパー、夜間の眩しさを軽減する自動防眩インナーミラー、そしてドアを軽く閉めるだけで自動的に引き込んで半ドアを防いでくれる全ドアのイージークローザーなどが、Gには惜しみなく標準搭載されています。
一方のSグレードでは、これらの快適装備の多くはオプション扱い、あるいは設定自体がありません。ただし、200系など一部の世代では、Sグレードをベースにしつつ、Gグレードに近い豪華な快適装備をセットにした「Sパッケージ」という非常に魅力的な選択肢が存在しました。このパッケージには本革シートやマイコンプリセットドライビングポジションシステム(鍵ごとにステアリング・シート・ミラーの位置を記憶して自動で復帰する機能)などがセットになっており、「Gほどの過剰な後席装備は不要だけど、Sよりは運転席周りを豪華にしたい」というオーナーに大人気でした。中古車を探す際は、この「パッケージ」の有無も重要なチェックポイントになりますね。
210系アスリートSとGの装備差を具体的に
ここでは、現在の中古車市場で最も人気が熱い世代である「210系」(フロントに大きく口を開けた「稲妻グリル」が特徴的な世代)にスポットを当てて、SとGの装備差をさらに具体的に深掘りしていきましょう。この世代を本気で検討している人は、特に必見の内容ですよ。
210系アスリートGの圧倒的な標準装備
210系のアスリートGには、本革シート、シートヒーター(前席・後席)、シートベンチレーション(前席)、電動リアサンシェード、リアドア手動サンシェード、後席パワーシート、AC100Vアクセサリーコンセント、カードキー、そしてインテリジェントクリアランスソナーなどが、すべて最初から標準装備されています。まさに至れり尽くせりのフル装備状態で、購入後に「あれも付けておけばよかった」と後悔する隙を与えない豪華な内容になっています。これが最上級グレードの圧倒的な証ですね。
複雑なSグレードのオプション設定
これに対して、アスリートSは、上級ファブリックシートが標準であり、上記のGに備わっている装備の多くはメーカーオプション、あるいは設定がありません。しかし、ここで厄介なのが、前期・後期や搭載エンジンによって細かな標準装備が変わる点です。例えば、大排気量の「3.5Lモデル」を選べば、Sグレードであってもシートヒーターが標準で付いてきたり、ハイブリッドモデルならベースグレードでも特定の装備が追加されたりと、構成が非常に複雑に入り組んでいます。「絶対に本革シートが欲しい!」という場合は、Gグレードを探すか、新車時に高額な本革オプションが追加された希少なSグレードの中古車を根気よく探す必要があります。
210系の中古車選びのマル秘テクニック
210系アスリートSで「本革シート」と「サンルーフ」の両方が付いている車両は、新車購入時にオーナーが多額のオプション費用をつぎ込んだ、いわゆる「フルオプションのアタリ車両」です。Gグレードにこだわらなくても、こうした装備の充実したSグレードを狙う方が、結果的にコスパ良く満足度の高い一台に出会えることも多いですよ。
200系以前のSとGパッケージの違い
210系よりもさらに前、丸みを帯びた流麗なデザインが特徴の200系(「ゼロクラウン」の次の世代)以前では、グレードの構成や名称の付け方が少し異なり、「S」と「Gパッケージ」の違いが主な比較のポイントになっていました。
200系における「Gパッケージ」の立ち位置
200系では、「3.5アスリート Gパッケージ」がラインナップの最上級モデルでした。これは「G」という独立したグレードが存在するわけではなく、ハイパワーな3.5Lエンジンモデルに対して、最上級の豪華装備をセットにした「パッケージオプション」という位置づけです。このGパッケージには、本革シート、後席エアコン、後席パワーシート、全ドアのイージークローザーなどが標準装備されており、実質的には210系のGグレードとほぼ同じ立ち位置になります。対して、通常の「3.5アスリート」や「2.5アスリート」が、210系でいうところの「Sグレード」に相当する、装備と価格のバランスが取れた売れ筋モデルでした。
180系(ゼロクラウン)のグレード思想
さらに歴史を遡り、クラウンのイメージを若返らせた大ヒット作「180系(通称:ゼロクラウン)」では、当初はGパッケージの設定すらなく、3.0Lモデルが最上級でした。後期のマイナーチェンジで追加された3.5Lモデルにも、当初はGパッケージは設定されず、本革シートなどはすべて単体のオプション扱いでした。このように、世代が古くなるにつれて、Gというグレードの存在感は薄くなり、純粋に「エンジンの排気量」や「オプションがどれだけ付いているか」が個体の価値を決める重要な要素になってきます。「G」というグレードの壁が厚く明確になったのは200系以降だと覚えておくと、中古車探しの際に混乱せずに済むと思います。
クラウンアスリートのSとGの違い、どちらを選ぶ?
ここまで、クラウンアスリートのSとGの違いを、歴代の変遷から外装、内装、装備に至るまで様々な角度から徹底的に比較してきました。では、最終的に予算や装備のバランスを総合的に考えたとき、どちらのグレードを選ぶのがあなたにとっての「正解」なのでしょうか。中古車相場や維持費のリアルな事情も交えながら、私なりの結論に迫っていきましょう。
価格差とコストパフォーマンスを天秤にかける
グレード選びで最も頭を悩ませる最大の要因は、やはり「価格の壁」ですよね。SとGでは、新車当時の価格でおよそ50万円から、エンジンによっては100万円近い大きな価格差がありました。この価格差に見合うだけの絶対的な価値が、Gグレードの装備にあるのかどうかを冷静に見極める必要があります。
新車時の価格差と装備の価値を計算する
Gグレードに標準装備されている本革シートやシートベンチレーション、そして後席の電動リクライニング機能などは、もしSグレードにオプションで後付けしようとすれば(そもそも構造上後付け不可能な設定が多いですが)、部品代だけでも新車の価格差以上の莫大なコストがかかってしまいます。そう考えると、最初からフル装備状態になっているGグレードは、非常にお買い得な「バーゲンプライス」と言えなくもありません。しかし、通勤や1〜2人でのドライブがメインで、後席に人を乗せる機会がほとんどない人にとっては、リアの電動サンシェードや後席専用のエアコンなどは、完全に宝の持ち腐れになってしまいます。
コストパフォーマンスを最大化する考え方
・自分に必要な装備がSグレードで十分に揃っている、あるいは数個のオプションで追加できるなら、Sの方が圧倒的にコスパは高いです。
・本革シートが絶対条件で、家族やゲストを後席に乗せて「おもてなし」をする機会が多いなら、迷わずGを選ぶのが価格差に見合う最も賢い選択です。
結局のところ、Gグレードの豪華絢爛な装備が自分にとって「必須」なのか、それとも「あれば嬉しいけどなくても困らない」程度なのかを、ご自身のライフスタイルと照らし合わせてシビアに判断することが重要ですね。
エンジンラインナップと走行性能への影響
クラウンアスリートの「走り」のキャラクターを決定づけるエンジンラインナップ。実は、世代によってはSとGで選べるエンジンに厳しい制限があるため、グレード選びがそのまま走行性能や維持費に直結してくるんです。
最上級グレードGは、最上級パワートレインとセット
例えば210系や200系のアスリートG(またはGパッケージ)は、基本的に3.5L V6自然吸気エンジンや、モーターのトルクが力強い2.5Lハイブリッドといった、その世代のフラッグシップとなるパワートレインとセットで販売されていました。アクセルを踏み込んだ瞬間の圧倒的なパワーと、V6エンジンならではの官能的で滑らかなサウンドを楽しめる3.5Lモデルは、まさに最上級グレードにふさわしい贅沢な選択です。当時のラインナップやスペックについては、(出典:トヨタ自動車株式会社『トヨタ グローバルニュースルーム クラウン』)の公式リリース情報などが非常に参考になります。
一方、中間グレードのSは、燃費とパワーのバランスが良い2.5Lガソリンや2.5Lハイブリッド、さらには210系後期から登場した軽快な走りが魅力の2.0L直噴ターボ(8AR-FTS型)など、より多様で実用的なエンジンラインナップから選ぶことができました。つまり、「どうしてもGの豪華装備が欲しい」となると、自ずと大排気量エンジンやハイブリッドシステムを選ぶことになり、毎年の自動車税や重量税、ハイオク指定による燃料代といったランニングコストが高くなる傾向にあることは覚悟しておかなければなりません。
AVSがもたらす走りのキャラクターの違い
また、走行性能の面でもう一つ見逃せないのがサスペンションです。世代によっては、最上級グレードや大排気量モデルのみに、路面状況に合わせてショックアブソーバーの硬さを自動で瞬時に制御する「NAVI・AI-AVS」という高度な電子制御サスペンションが標準装備されています。Sグレードの標準サスペンションも、アスリートらしく引き締まった素晴らしい足回りですが、AVSが搭載されたGグレードは、コーナーでのロールを抑えたスポーティなハンドリングと、段差を乗り越えた時の上質なフラットライド感を、より高い次元で見事に両立させているかなと感じます。
中古車市場でのタマ数と相場の違い
新車時には価格差の大きかったSとGですが、年数が経過して中古車市場に流通するようになると、その価格差は少し縮まり、また別の悩ましい問題が出てきます。それが「タマ数(流通量)」の違いです。
圧倒的なタマ数を誇る売れ筋のSグレード
中古車市場においては、新車時に圧倒的な台数が売れた「Sグレード」の流通量がずば抜けて多いです。タマ数が多いということは、大人気のホワイトパールクリスタルシャインやプレシャスブラックパールといった定番のボディカラー、希望の年式、走行距離、そして何よりご自身の予算に合わせて、条件にピッタリ合う車両を見つけやすいという絶大なメリットがあります。自分好みの状態の良い一台を、妥協せずにじっくり探したい人にとっては、Sグレードは非常に魅力的なベース車両となります。様々な販売店を巡って、個体ごとのコンディションを比較検討できるのも嬉しいポイントです。
希少なGグレードの相場と高いリセールバリュー
一方、最上級のGグレードは、新車価格が高かったこともあり中古車市場での流通量が少なく、Sグレードに比べると中古車相場も一段高く設定されています。しかし、新車当時の100万円近い価格差に比べれば、中古車での価格差は20万円〜30万円程度にまで縮まっていることが多く、装備の内容を考えればお買い得感はむしろ高まっています。また、将来的に車を手放す際の下取り価格(リセールバリュー)も、本革シートやサンルーフといった中古車市場でウケの良い人気装備が最初から充実しているGグレードの方が、圧倒的に高値を維持しやすいという特徴があります。長く乗り潰すか、数年で乗り換えるかによっても選び方が変わってきそうですね。
| グレード | 新車価格の傾向 | 中古車タマ数 | 中古車相場 | リセールバリュー |
|---|---|---|---|---|
| アスリートS | 標準的(売れ筋) | 圧倒的に豊富 | 比較的安価で探しやすい | 標準的(装備による) |
| アスリートG | 高額(+50万〜100万円) | 非常に少ない | 一段高いが、装備を考えるとお買い得 | 安定して高い傾向 |
自分に合うグレードを見極める選び方のコツ
価格、エンジンスペック、内外装の装備の違いを一通り理解した上で、いざ「で、結局自分にはどちらが合っているの?」と問われると、まだ迷ってしまう方もいらっしゃると思います。最後に、あなたのライフスタイルや車に求める価値観に合わせた、後悔しないための具体的な選び方のコツをご提案させていただきます。
クラウンアスリートSがおすすめな人
装備と価格のバランスに優れた中間グレードである「クラウンアスリートS」は、以下のような価値観をお持ちの方に自信を持っておすすめできます。
・購入時の初期予算をできるだけ賢く抑えつつ、クラウンアスリートならではのスポーティなスタイリングと走りを存分に手に入れたい方
・普段は1人か2人で乗ることがメインで、後席に人を乗せる機会が少なく、自分本位のドライブを楽しみたい方
・本革シートのメンテナンスの手間よりも、ファブリックシートの通気性やホールド性、実用性を重視する方
・税金の安い2.0Lターボや、燃費に優れた2.5Lハイブリッドなど、多様なエンジンラインナップの中から自分好みのパワートレインを選びたい方
・中古車市場で豊富なタマ数の中から、ボディカラーや修復歴の有無、走行距離などの条件にこだわってベストな一台を選びたい方
過剰な装備を削ぎ落とし、純粋に「アスリート」としてのスポーティな走りを楽しむなら、Sグレードは間違いなく最高の相棒になってくれます。
クラウンアスリートGがおすすめな人
一方、妥協を一切許さない最上級グレードの「クラウンアスリートG」は、次のような方に最適な選択です。
・トヨタのフラッグシップセダンらしい、上質で洗練された本革のインテリア空間に毎日どっぷりと浸りたい方
・家族や大切な友人を後席に乗せる機会が多く、後席エアコンやサンシェードなどで最高級の「おもてなし」を提供したい方
・AC100Vアクセサリーコンセントやカードキー、イージークローザーといった、便利でラグジュアリーな装備をフルに活用して優越感に浸りたい方
・将来車を手放す時の下取り価格(リセールバリュー)を高く保ち、次の車への乗り換え資金を有利にしたい方
・そして何より、3.5L V6エンジンの怒涛のパワーと、「一番上の最上級グレードに乗っている」という圧倒的な満足感とステータスを得たい方
少しでも予算に余裕があり、「後からあの装備が欲しかった…」と後悔したくないのであれば、迷わず「G」を選んでおけば絶対に間違いありません。所有する喜びを極限まで高めてくれる、非常に完成度の高い一台です。
購入前に確認したい注意点と専門家への相談
最後に、いざクラウンアスリートを購入する!と決断する前に、少しだけ冷静になって確認しておいていただきたい重要な注意点をいくつかお話ししておきます。憧れの高級車を手に入れた後に「こんなはずじゃなかった…」とトラブルにならないために、とても大切なプロセスです。
駐車場のサイズと取り回しの確認
クラウンは日本の道路事情に合わせて「全幅1,800mm」というサイズを頑なに守って設計されているとはいえ、全長は4,895mm(210系アスリートの場合)という堂々たるボディサイズを誇ります。ご自宅の駐車場や、普段からよく利用する月極駐車場の立体パレットの制限サイズにしっかりと収まるかどうか、購入前に必ず車検証上の数値を元にメジャーで測って確認してください。また、車体が長いため、狭い路地やクランクでの取り回しにはそれなりの気を使います。購入前の試乗の際には、ディーラーの周りの広い幹線道路だけでなく、普段ご自身が走るような細い生活道路も走らせてもらうことを強くおすすめします。
維持費シミュレーションと専門家への相談
エンジンの項目でも触れましたが、特に3.5LのV6モデルを選ぶ場合、毎年の自動車税(58,000円)や重量税、そしてハイオクガソリン仕様による毎月の燃料代など、維持費がコンパクトカーなどに比べて想像以上に高くなります。また、18インチの大径タイヤは交換時の費用も高額になりますし、ハイブリッドモデルの場合は将来的な駆動用バッテリーの交換リスクもゼロではありません。車両本体のローン支払いに加えて、これらの維持費を長期的に無理なく支払っていけるか、冷静にシミュレーションしておくことが重要です。「SとGの装備の違い」という目先の情報ばかりに気を取られず、ご自身の収入と支出のバランスを冷静に見極め、無理のない返済計画を立てることが何よりも大切です。
最終的な判断についての重要なご案内
車の購入にかかる初期費用、ローン利用時の金利、定期的なメンテナンス費用、また安全に関わる運転支援機能の性能など、この記事でご紹介した数値や情報はあくまで執筆時点での一般的な目安となります。ご自身の居住地域や保険等級に合わせた正確な見積もりや最新の情報は、必ずメーカーの公式サイトや販売店でご確認いただき、最終的な資金計画や購入の判断は、ディーラーの担当営業マンやファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談されることを強く推奨いたします。
まとめ:クラウンアスリートSとGの違いを知る
いかがでしたでしょうか。今回は「クラウンアスリートSとGの違い」というテーマで、歴代モデルのグレード構成の思想から、外装のディテール、内装の質感、快適装備の有無、そして中古車市場でのリアルな相場事情に至るまで、様々な角度から徹底的に違いを比較してきました。
中間グレードである「S」は、クラウンアスリートが本来持っているスポーティな魅力をピュアに受け継ぎつつ、優れたコストパフォーマンスと圧倒的なタマ数の豊富さで、自分好みの一台を選びやすい非常に魅力的な選択肢です。一方で最上級グレードである「G」は、極上の本革シートからVIPのための後席おもてなし装備、さらには大排気量エンジンによる圧倒的なパワーに至るまで、一切の妥協を排して「クラウンのスポーツセダンの完成形」を追求した至高のグレードと言えます。
どちらのグレードを選ぶにしても、トヨタが世界に誇る名車のステアリングを握り、静寂かつパワフルに街を滑るように走る喜びは、あなたの日常のカーライフを間違いなく豊かで特別なものにしてくれるはずです。ぜひ今回の徹底比較を参考に、公式サイトでスペックを再確認したり、実際にお近くのショールームや中古車販売店へ足を運んで実車のドアを開けてみて、あなたにとって最高の相棒となる一台を見つけ出してくださいね。あなたの素敵なカーライフのスタートを、心から応援しています!

